結論:WBSはプロジェクトの対象範囲や成果物を構造化し、ガントチャートは実行するタスクを時間軸で管理します。どちらか一方を選ぶ関係ではなく、役割を分けて組み合わせられます。

WBSとガントチャートを比較

比較項目WBSガントチャート
主な目的成果物・対象範囲を階層的に分解するタスクを時間軸へ配置し期間・予定を確認する
主に見るもの何を完成させる必要があるか、対象範囲はどこまでかいつ始め、いつ終え、現在どこまで進んでいるか
表現階層リスト、ツリー、アウトラインなど横方向の時間軸とタスクバー
利用場面対象範囲・成果物・作業パッケージの整理スケジュール設計・実行中の進捗確認

WBSとは何か

WBSはWork Breakdown Structureの略です。Project Management Institute(PMI)はWBSを、プロジェクトの総スコープを成果物ベースで階層的に分解し、下位レベルへ具体化していくものとして扱っています。

「タスクを細かくする表」とだけ考えるより、プロジェクトで何を提供・完成させるのかを漏れなく構造化するものと考える方が正確です。

Web制作の例:「Webサイト公開」という目的に対し、要件、設計、制作、確認、公開などの成果物・作業まとまりへ分け、さらに必要な下位項目へ展開します。

ガントチャートとは何か

ガントチャートは、整理した実行タスクを時間軸へ配置します。同じWeb制作でも、要件整理8/20〜8/22、デザイン8/26〜9/1、実装8/30〜9/8のように開始日と終了日を置きます。

これにより作業の重なりや全体期間を確認しやすくなります。基本はガントチャートとはで整理しています。

WBSからガントチャートへ落とす流れ

  1. プロジェクトの対象範囲と成果物を確認する
  2. 成果物を管理しやすい階層へ分解する
  3. 実行・進捗管理するタスク単位を決める
  4. 開始日と終了日を置く
  5. 担当者と進捗の持ち方を決める

WBSの最下層をすべてガントへ出す必要はありません。細かすぎる項目まで並べると更新負荷が高くなるため、スケジュールとして追う単位を選びます。

具体的なガントチャートの作り方を見る →

WBSが中心になる場面

まだ日程を決める前で、何を作るか、どこまでを対象にするか、どの成果物が必要かを整理している段階ではWBSが中心になります。

ガントチャートまで作った方がよい場面

「いつ開始するか」「いつまでに終えるか」「どの作業を並行できるか」「現在の進捗は予定と比べてどうか」といった問いに答える必要が出てきたら、時間軸が必要です。

よくある混同

WBSに日付を書けばガントチャートになる?

日付を付けたWBSを作ることはできますが、目的は分けて考えた方が分かりやすくなります。WBSの中心は成果物と対象範囲の階層構造、ガントの中心は時間軸上の実行計画です。

ガントチャートを作ればWBSは不要?

小規模案件なら正式なWBSを作らず、タスク一覧から直接ガントを作る場合もあります。ただし必要な成果物や作業の洗い出しが不十分なら、ガントにも抜けが残ります。

WBSは工数表?

WBSそのものは工数表ではありません。構造化した内容を見積りやスケジュール作成などへ利用できます。

参考資料